リーファーコンテナ(冷凍コンテナ)
リーファーコンテナ(Reefer container/Refrigerated container)は断熱性能を持つコンテナボックスに高性能な冷凍機がインストールされたコンテナで、庫内の温度を通常-30℃から+30℃まで0.1度単位で設定する事が出来ます。貨物に応じて、常温(ドライ)、冷蔵(チルド)、冷凍(フローズン)の3温度帯輸送が可能なため、食料品のみならず、化学品、医薬品、精密機械の輸送や保管にも使用されます。最近では気候変動による猛暑によるリーファーコンテナの需要が高まっています。
一般的な設定温度帯に加えて、-40℃の設定が可能なタイプ、更に冷凍専用で-60℃まで設定可能なタイプもあります。60℃設定が可能なタイプはコンテナ自体に加えて、維持費用も通常タイプに比べ割高のため、カーゴバリューの高いマグロ、高級アイスクリーム等の輸送に使用されています。
リーファーコンテナの構造と材質
リーファーコンテナの外装は主にステンレス鋼板(MGSS)パネル、耐候性鋼板(CORTEN A)等の構造材で組み立てられています。内装のパネルはステンレス鋼板で、外部パネルとの間に発泡ポリウレタンが注入されており、断熱効果を発揮します。
ドライコンテナとは異なり、外部のパネルは波形パネル(コルゲーションのあるパネル)ではなく、平らなパネルが使用されます。また、多くのリーファーコンテナは遮熱効果を高めるため、白系色の塗装が施されています。
庫内は清潔に保てるよう、水洗いが可能な構造になっています。床のコーナー4か所には水抜き穴(ドレンホール)が設置されています。床にはTレールといわれるアルミ製のレールが50mm前後の間隔で縦に敷き詰められています。
リーファーコンテナの大きな特長の一つは庫内の冷気の吹き出し口が下部にある事です。最奥壁の下部から冷気が噴き出し、それらは、Tレールの隙間からコンテナ内部に循環し、庫内の温度を一定に保ちます。(コンテナ冷凍庫・冷蔵庫や冷凍設備等の冷気は庫内上部の室内機から排出されるのが一般的です。)
リーファーコンテナ(冷凍機)の電源・電圧について
リーファーコンテナの電源は国際輸送に使用される場合は通常3相400Vの電源を使用します。日本国内での輸送の場合、陸上電源設備や内航船内の電源設備が200Vのケースが多いため、400Vではなく、200Vで使用されるケースが殆どです。
そのように使用する場合はコンテナにトランス(トランスフォーマー/昇圧機)を取り付ける事で冷凍機が400V/200Vの両電圧に対応可能(Dual voltage対応)となります。電源ケーブルの先端にはリーファーコンテナ専用の4芯のプラグが装着されており、レセプタクルと呼ばれるメス側のプラグに接続します。400V用のプラグは赤色、200V用のプラグは青色で色分けされており、形状も異なるため誤接続を防止するように設計されています
リーファーコンテナに適したカーゴ
リーファーコンテナは主に食肉、生鮮品・魚介、冷凍食品、ワイン等の食料品、飲料、生花、その他、定温輸送が求められる化学製品、医薬品、電子部品、精密機器、フィルム、美術品などの輸送や保管に使用されます。
リーファーコンテナの冷媒について
リーファーコンテナの冷凍機に使用される冷媒はR134aやR404a等です。
リーファーコンテナの騒音について
リーファーコンテナの冷凍機が作動する際にコンプレッサーやファンから駆動音が発生します。リーファーコンテナはその高い馬力や耐久性が重要視され、騒音対策は二の次になっています。
そのため、騒音は最高で約80~90デシベル程度になります。一般的なエアコンの室外機の騒音が50~70デシベルと言われていますので、比較するとかなり大きな音と言えます。国内において冷凍倉庫等で使用される場合は、特に閑静な地域の場合、近隣への配慮と騒音対策が必要になる場合がございます。
そのような場合、弊社では、リーファーコンテナに汎用タイプの冷凍機・冷蔵機を取付けたコンテナをご提案しております。
リーファーコンテナの冷凍機メーカー
リーファーコンテナのボックス部分と冷凍機部分は共にISO規格に基づき統一された規格にて製造されているため、様々なボックス部分と冷凍機は多様な組み合わせが可能です。
冷凍機メーカーはDaikin(ダイキン)、Carrier(キャリア)、Thermo King(サーモキング)等が有名です。リーファーコンテナの冷凍機はコンテナのサイズに関わらず、同一の馬力と性能を持つ機器が取り付けられます。
なお、世界最大のコンテナ船社Maersk Lineの子会社であるStar Cool製の冷凍機、DENSO(デンソー)の冷凍機はボックスと一体になっています。
鮮度保持技術
CA (Controlled Atmosphere)
単に庫内を冷却し、定温に保つだけではなく、酸素濃度と二酸化炭素濃度を最適にコントロールする事で、庫内の生鮮品(果物や野菜等)の鮮度を維持できる技術です。呼吸量の少ない葉物野菜から呼吸量の多いアボカドやバナナまで、幅広い生鮮品を、鮮度を維持したまま輸送、保管が可能です。CA用の機器はオプションとして冷凍機に取り付けます。
電場(電界)による鮮度保持
コンテナ内部に電界を発生させるパネルを設置し、庫内を電場の状態にして、生鮮品の鮮度を保つ技術です。
電場が生鮮品の水分子同士の結合を抑制する事で凝固点を下げることが出来るため、マイナス温度でも凍結しない過冷却状態にてチルド輸送・保管が可能になります。
また、電場状態においては、生鮮品の劣化の原因となるエチレンの発生を抑制する効果もあり、鮮度保持を実現できます。
リーファーコンテナの利用用途と応用
リーファーコンテナはコンテナ船、RORO船等の海上輸送で使われる事を前提に製造されておりますが、陸上輸送用の冷凍車として、また、定置での低温倉庫などとしての利用が可能です。
リーファーコンテナのサイズ
リーファーコンテナはドライコンテナ同様に20フィート・40フィート・40フィートハイキューブ(背高)が一般的ですが、日本国内ではRORO船や離島へフェリー輸送などで、10フィート・12フィート等も多く使用されています。
外寸はドライコンテナと同様ですが、内寸は断熱材や冷凍機が取り付けられている分、内容量は少なくなります。
ライノスコンテナのリーファーコンテナ ソリューション
リーファーコンテナの販売・リース・修理・メンテナンス
ライノスコンテナでは、新造(新品)リーファーコンテナ・中古のリーファーコンテナ・冷凍コンテナ・冷蔵コンテナの販売とリース・レンタル・修理メンテナンスも行っております。
新造(新品)のリーファーコンテナは10フィート・12フィート・20フィート・40フィート・40フィート背高等の一般的なサイズに加え、お客様のご要望に応じて特殊サイズのご提供が可能です。
リーファーコンテナBOXに国内メーカーの汎用冷凍機・冷蔵機を取付けたコンテナ冷凍庫・冷蔵庫(汎用冷凍機付きコンテナ)の取扱
ライノスコンテナではリーファーコンテナのBOXに国内メーカーの汎用冷凍機・冷蔵機を取付けたコンテナ冷凍庫・冷蔵庫の取扱いを行っております。詳しくは下記のページをご参照ください。
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